閉じる

医療・介護ニュース

オミクロン株でワクチンの柔軟な前倒し接種を-日医・全国知事会が意見交換

2021年12月03日 14:55

印刷

 日本医師会と全国知事会は2日、新型コロナウイルス感染症等に関する意見交換会を行った。新型コロナウイルスワクチンの3回目の接種について、「オミクロン株」が世界中で広がりを見せているため、「できればある程度、前倒ししていくことが必要ではないか」(平井伸治・全国知事会会長)、「ワクチンの接種体制が整った自治体から柔軟に前倒しで接種を進めることも考える必要が出てきた」(中川俊男・日医会長)との認識で一致した。【齋藤栄子】

 この日は、全国知事会が11月21日にまとめた「第6波への備えと日常生活の回復に向けた緊急提言」を基に意見交換した。提言のうち、新型コロナワクチンの追加接種(3回目接種)について、「2回目接種後原則8カ月以上(少なくとも6カ月以上)経過した18歳以上」が対象とされたが、6カ月経過すると接種可能という誤った認識が国民に広がっていることから、例外的取り扱いであることを改めて強く発信する必要があり、例外的取り扱いについての具体的な判断基準の明示が必要だとした。 また、政府が示した新型コロナワクチンの配分からは、1・2回目と同種のワクチンを接種希望する場合、モデルナは現時点の接種実績を上回る量が配分されるが、ファイザーは3月には不足する自治体が出てくる可能性があることから、ファイザーの配送スケジュールの前倒しと、モデルナも含めた具体的な配分量、配送スケジュールなどを早期に示すことを提言で求めている。 提言はこの他に、▽新たな対策の周知▽第5波の検証および有効な対策の提示▽基本的感染対策の継続▽感染状況を評価する新たな基準への対応▽ワクチン・検査パッケージ制度の運用▽PCR等検査の無料化▽感染拡大期における対応-などを挙げている。 提言に対し、意見交換に参加した日医の役員それぞれからも、「ワクチンを安心して受けてもらうための方針を(国に)出してほしい」(釜萢敏・常任理事)などの意見が出された。閉会のあいさつでは両会長がそれぞれ、お互いがほぼ同じ方向を向いていると再認識をしたなどとコメントし、今後の連携を確認し合った。

出典:医療介護CBニュース