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医療・介護ニュース

「かかりつけ医」の制度化など提言、健保連-国民・患者自身が選択

2021年10月19日 20:00

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 全国の1389の健康保険組合(2020年4月1日現在)で構成される健康保険組合連合会(健保連)は19日、国民皆保険制度を維持するためとして、「かかりつけ医」の制度化など計15項目を提言した。「かかりつけ医」の要件(機能)を法令で明確化し、国民への情報提供など環境整備を進めるよう求めた。一定の要件を満たす「かかりつけ医」を国民・患者が自分のニーズに応じて選択する仕組みを想定している。【兼松昭夫】

 国民や患者に選ばれるための医師側の努力をそれによって促す。また、「かかりつけ医」を持つよう医療保険者が加入者に呼び掛ける道筋も示した。「かかりつけ医」の要件には、患者情報の一元管理や専門医への紹介などのほか、処方箋を一定期間繰り返し利用する「リフィル処方」への対応も挙げた。

 「かかりつけ医」を起点とする医療の大きな流れを作るための環境を21年度中に整備し、外来医療の機能分化や連携強化を22年度以降、進めるべきだとしている。安全で効率的な医療体制を作るため、全国民が「かかりつけ医」を持つことを目指す。

 日本医師会と四病院団体協議会は13年8月の合同提言に「かかりつけ医」の定義や「かかりつけ医機能」の具体例を示したが、医療界全体のコンセンサスはない。

 健保連の佐野雅宏副会長は19日、厚生労働省内で記者会見し、「『かかりつけ医機能』をどう位置付けていくか、共通の理解を作ることが第一歩」と述べた。

 厚労省は、「かかりつけ医機能」の共通認識を普及させるための経費などを22年度予算の概算要求に盛り込んだ。

 「かかりつけ医」の制度化以外の健保連による提言は、24年度からの第8次医療計画を見据えた地域医療構想の着実な推進や医療費適正化の取り組み強化など。

出典:医療介護CBニュース