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「レジメン紹介」監修にあたって

臨床試験で得られたエビデンスは標準治療として一般化可能であり、日々の診療でも適格規準や減量・休薬規定を守ることにより再現性のある治療効果を得ることができます。武道における「型」と同じように、がん診療は各施設や医師が「自己流」の治療を行うものでなく、多施設で広く行われているやり方をまねることが標準治療への第一歩であるとも言えます。その後、標準治療の枠をはずれた患者さんに対してもその応用が可能となります。

ただし、がん治療の進歩はめざましく、新薬に伴って新たな標準治療が次々と確立されるに伴い、日々の診療は複雑になり、医師だけでは、個々の患者さんに対して副作用マネージメントを含めた適切ながん診療を十分に行うことが困難になってきています。そのため最近ではチーム医療が重要であると認識されています。チームの力により、患者さんの治療に対する不安をできる限り解消し、前向きな気持ちを持ってもらえることができれば、患者さんのQOL (quality of life)の向上、さらには安全な治療の継続により、治療効果の向上にもつながる可能性があります。

本コンテンツでは、消化器がん領域において臨床で実際に広く用いられているレジメンとその治療にかかる主な薬剤費(薬価)を紹介しました。レジメンの内容には抗がん剤の用法・用量だけでなく、制吐剤や輸液まで含めており、がん治療に携わる医師、薬剤師だけでなく看護師、医療ソーシャルワーカーを含む医療従事者の方々が利用しやすいように工夫しています。また、エビデンスの元になった臨床試験の文献も参照することができます。さらには、薬価計算の部分で、ジェネリック医薬品に切り替えた際の薬価比較も可能です。

本コンテンツを皆さまの日常診療で参照いただき、個々の患者さんに対して少しでもより良いがん診療を行うことにお役に立てていただければ幸甚です。

監修
京都大学医学部附属病院 次世代医療・iPS細胞治療研究センター 教授 中島 貴子