閉じる

「レジメン紹介」監修にあたって

早期発見の努力ならびに化学療法を含めた種々の治療の改善の努力にもかかわらず、日本における悪性腫瘍による死亡者数は年々増加しています。中でも原発性肺癌による死亡者数は第1位であり、いまだ予後不良の疾患です。

原発性肺癌はその生物学的特徴から小細胞肺癌とそれ以外の組織型からなる非小細胞肺癌を分けて治療方針を立てられ、治療が行われてきました。小細胞肺癌は進行が早く、早期に血行性、リンパ行性に転移をきたすものの、化学療法や放射線治療の感受性が良好であり、その治療効果は非小細胞肺癌と比べ明らかな生存期間延長効果として示されています。一方、80~85%を占める非小細胞肺癌は化学療法の感受性は不良であり、手術や放射線治療などの局所療法でしか治癒が望めない疾患でしたが、21世紀に入り、分子標的薬剤の台頭、術後化学療法や維持療法の概念の導入、血管新生阻害剤の出現などにより治療効果の改善がもたらされたのみならず、個々の症例の組織型や遺伝子変異の有無、全身状態により治療方針が異なる、いわゆる個別化医療へ舵が切られるに至りました。さらに、近年は新薬の出現による医療費の高騰が問題視され、治療効果とQOLおよびコストのバランスが重要視される時代へと突入しました。

このコンテンツは肺癌で使用されるレジメンについてできるだけ細かく、制吐剤や輸液内容も含め、明日から実地医療ですぐに役立つよう紹介し、また、医療費についてもわかりやすく紹介しています。このコンテンツが多様化する肺癌医療を行う診療医の先生方および薬剤師、看護師などの医療従事者の方々の一助になることを切に祈っています。

監修
関西医科大学附属病院 呼吸器腫瘍内科 診療教授 倉田 宝保
関西医科大学附属病院 呼吸器腫瘍内科 チーム一同