調製時の注意

CDDP: 点滴静注する際、クロールイオン濃度が低い輸液を用いる場合には、活性が低下するので必ず生理食塩液に混和すること。
点滴静注する際、アミノ酸輸液、乳酸ナトリウムを含有する輸液を用いると分解が起こるので避けること。
アルミニウムと反応して沈殿物を形成し、活性が低下するので、使用にあたってアルミニウムを含む医療用器具を用いないこと。
DTX(2バイアル製剤): 通常、添付溶解液全量に溶解した後、必要量を250又は500mLの生理食塩液又は5%ブドウ糖液に混和すること。(投与時間:1時間以上)
添付溶解液にはエタノールが含まれているので、アルコールに過敏な患者に投与する場合は、生理食塩液又は5%ブドウ糖液で溶解する。
DTX(1バイアル製剤): 必要量を注射筒で抜き取り、直ちに250又は500mLの生理食塩液又は5%ブドウ糖液に混和すること。(投与時間:1時間以上)
本剤は溶剤として無水エタノールを含有するため、アルコールの中枢神経系への影響が強くあらわれるおそれがあるので、本剤を投与する場合には問診により適切かどうか判断すること。

投与前の注意

CDDP:
  • 投与時には腎毒性を軽減する為に下記の処置を行うこと。
  • 1)投与前、1,000~2,000mLの適当な輸液を4時間以上かけて投与する。
  • 2)投与時、投与量に応じて500~1,000mLの生理食塩液またはブドウ糖-食塩液に混和し、2時間以上かけて点滴静注する。なお、点滴時間が長時間に及ぶ場合には遮光して投与すること。
  • 3)投与終了後、1,000~2,000mLの適当な輸液を4時間以上かけて投与する。
  • 4)投与中は、尿量確保に注意し、必要に応じてマンニトール及びフロセミド等の利尿剤を投与すること。
<監修者コメント>
近年、がん化学療法治療が外来化学療法を中心とした医療にシフトした背景もあり、CDDP投与時の輸液量を減じたshort hydrationの検討がなされるようになり、実地医療においても取り入れられてきている。投与前;500cc(60分)~1,000cc(120分)、投与時;250cc(60分)、投与後;500cc(60分)~1,000cc(120分)の投与量が頻用されている。
DTX: 重篤な過敏症状があらわれることがあるので、特に初回及び第2回目の投与時は、観察を十分に行うこと。
欧米においては、浮腫並びに過敏症状の軽減を目的として前投与(デキサメタゾン(16mg/日、8mg1日2回)等を、本剤の投与前日から3日間、単独経口投与)が望ましいとされている。

投与中/後の注意

CDDP: 悪心・嘔吐、食欲不振等の消化器症状がほとんど全例に起こるので、患者の状態を十分に観察し、適切な処置を行うこと。
急性腎不全等の腎障害、骨髄抑制等の重篤な副作用が起こることがあるので、頻回に臨床検査(腎機能検査、血液検査、肝機能検査等)を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。異常が認められた場合には減量、休薬、中止等の適切な処置を行うこと。また、使用が長期間にわたると副作用が強くあらわれ、遷延性に推移することがあるので、投与は慎重に行うこと。なお、フロセミドによる強制利尿を行う場合には腎障害、聴器障害が増強されることがあるので、輸液等による水分補給を十分行うこと。
<監修者コメント>
投与翌日以降に水分摂取を促すことが望ましい。
通常のハイドレーションの例
薬剤 投与経路 用量 投与期間
輸液 静注 2000〜3000mL 24時間
アプレピタント 経口 125mg シスプラチン投与60〜90分前
パロノセトロン
デキサメタゾン
生理食塩液
静注 0.75mg
9.9mg
50mL
15分
シスプラチン
生理食塩液
静注 80mg/m²
500mL
120分
20%マンニトール 静注 200mL 30分
輸液 静注 2000〜3000mL シスプラチン投与翌日、翌々日(各24時間)
DTX: 必ず1時間以上かけて点滴静脈内投与すること。
【参考文献】 各製品添付文書
※投与方法に関しては一例です。各製品の添付文書をご確認ください。