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医療・介護ニュース

BSL-4施設着工から稼働まで「最低5-7年」-厚労省が検討会の初会合で説明

2020年11月02日 20:50

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 厚生労働省は2日に開かれた「国立感染症研究所BSL-4施設の今後に関する検討会」の初会合で、新しいBSL-4(バイオセーフティーレベル4)施設の着工から稼働までの「一般的なスケジュール」を示し、着工から稼働までには「最低5-7年を要する」などと説明した。国立感染症研究所の脇田隆字所長も、同研究所村山庁舎(東京都武蔵村山市)の施設は建築後39年を経過していることなどを取り上げ、移転・新設を早急に検討する必要があるとした。【新井哉】

 住宅地に隣接する村山庁舎を巡っては、同研究所が2019年11月に公表した「国立感染症研究所村山庁舎の安全対策、災害・事故対策及び避難対応の強化に関する検討会」の報告書で、同年10月の台風19号で避難経路の雨水が庁舎に流れ込み、敷地の一部が冠水する事態に陥ったことを取り上げ、「住民の避難経路が天候に左右されることなく確実に機能するよう、雨水浸透施設を設置する必要がある」と指摘。万が一、事故等が発生した場合に備えた対応についても、「PDCAサイクルを通じて安全対策等を検証していく中で、周辺住民の避難路整備の検討等、必要な対策を検討していく必要がある」といった見解を示していた。

 厚労省は、2日の初会合で、長崎大のBSL-4施設を取り上げ、着工(18年12月)から完成(21年7月末予定)まで約2年8カ月を要することや、予算編成から施設建設計画まで含めると最低3年以上の期間が必要であることを説明。脇田所長も、BSL-4施設は輸入感染症対応などの感染症危機管理のため国として必要な施設であることや、地域住民にその必要性を十分に説明し、地元に受け入れられるよう設置前から設置後を含めた情報提供や地域交流などの活動を行う必要性などを挙げた。

 構成員からは、新たな施設で人材の交流を進める必要があるとの提案や、交通の利便性や施設の維持管理の重要性を訴える意見なども出た。

出典:医療介護CBニュース