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医療・介護ニュース

個室の「飲み会」、換気不良・密な空間で全員感染-感染研が飲酒伴う会食のコロナ集団感染事例掲載

2020年10月30日 14:10

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 国立感染症研究所は30日までに、飲酒を伴う会食(いわゆる「飲み会」)の集団感染事例をまとめ、その結果や考察などをホームページに掲載した。2020年2月25日以降、クラスター対策班として実施した実地疫学調査のうち、「飲み会」で発生した集団感染(6事例)の曝露状況を取り上げている。【新井哉】

 同席した10人程度の客が全員感染したケースに関しては、「店内に窓がなく、換気状況が不良の個室事例」と説明。推定感染原因として、「換気不良・人が密な空間での会食」を挙げている。また、「別グループの客-客間」の事例に関しては、「客が座席移動して別グループの客と一緒に会話・飲食したり、飲用容器の共用(飲み物の回し飲み等)したりすることによって感染したとみられる事例を認めた」としている。

 「客-従業員間」の事例(2例)も取り上げている。従業員がマスク着用をしていたにもかかわらず、感染が認められた事例については、「客(マスク着用無し)と会話を多くしていた」などと説明。別の事例では、「客と同じテーブル等に着席し、長時間滞在・飲酒した等、客(マスク着用無し)と密接な関わりをした従業員(マスク着用状況不明)の感染が認められた」としている。

 考察では、「客-客間の伝播が多く見られ、十分な距離を保てない状況下での飛沫による伝播、発症者が同グループの同席に存在したこと、店内の換気不良および人が密な空間での飲食等によって感染したとみられる事例を認めた」と記載。マスクを着用していた従業員の感染が確認された事例に関しては、「感染者との近距離で会話等を実施したことにより感染した可能性が考えられることから、一方のみのマスクの着用だけでは完全に感染を防ぐことができないことも示唆される」としている。

 「飲み会」事例の特徴も記載している。「グループの客-客間」の伝播と思われる事例(3例)については、▽参加人数が多く、人が密集しやすい環境であった▽多数の人(別グループの人も含む)と接触し会話した▽席移動が頻繁に行われた▽飲み物の回し飲みがみられた-などが認められたとしている。

 今後の感染対策として、一般的な感染対策であるマスク着用、手指衛生、従業員の健康管理、身体的距離の確保、店内のこまめな換気の実施などを提示。「客-客間での感染伝播が主であることから、体調不良者、または少しでも異変を感じる場合はイベントや宴会に参加しない」「自らが感染源になるリスクを極力おさえるため、日頃から感染機会(3密)を避け、正しいマスク着用、手指衛生を心掛ける」「回し飲み(通常飲用に用いる容器の共用)を行わない」といった提言も記載している。

出典:医療介護CBニュース