閉じる

医療・介護ニュース

新型コロナ入院患者の9%が「死亡退院」-国立感染症研究所が積極的疫学調査の結果公表

2020年08月18日 14:55

印刷

 国立感染症研究所は14日、自治体や医療機関から寄せられた新型コロナウイルス感染症の退院患者に関する積極的疫学調査の結果をホームページで公表した。6月3日時点の状況(185例)をまとめたもので、入院期間の中央値は16.0日だった。転帰については、「生存退院163例(88%)、死亡退院16例(9%)、入院中で軽快傾向を認める症例6例(3%)であった」としている。【新井哉】

 同研究所によると、性別は男性が97例(52%)、女性が88例(48%)で、年齢の中央値は55.0歳(四分位範囲40.0-69.0歳)。50歳代(33例)、60歳代(37例)、70歳代(33例)が入院患者の半数以上を占めた。感染確認の経緯も取り上げており、「国内確認」が151例(82%)、「チャーター便による帰国」が5例(3%)、「ダイヤモンド・プリンセス号乗船者」が29例(16%)となっている。

 何らかの基礎疾患を有した症例が103例(56%)あった。その内訳は、高血圧が39例(21%)、糖尿病が28例(15%)、脂質代謝異常症が24例(13%)、喘息が10例(5%)、悪性腫瘍が7例(4%)、腎疾患が4例(2%)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)が4例(2%)、脳血管疾患が2例(1%)となっており、「喫煙歴が15例(8%)で認められた」としている。

 初発症状に関しては、発熱が109例で最も多く、以下は、呼吸器症状(68例)、倦怠感(23例)、頭痛(17例)、消化器症状(16例)、鼻汁(8例)、関節痛(7例)、嗅覚異常(6例)、味覚異常(4例)などの順だった。また、入院時の症状については、呼吸器症状(61例)、発熱(53例)、消化器症状(21例)、倦怠感(13例)、嗅覚異常(11例)、味覚異常(10例)などを挙げている。

 全185例のうち86例(46%)については、対症療法ではなく、新型コロナウイルス感染症への直接的な効果を期待して抗ウイルス薬投与などの治療介入が行われており、「投与薬剤の内訳は、ファビピラビル48例、シクレソニド43例、ロピナビル/リトナビル20例、ナファモスタット3例、ヒドロキシクロロキン硫酸塩3例、レムデシビル2例等であり、このほか3例でステロイドパルス療法(メチルプレドニゾロンコハク酸エステルナトリウム1例、シベレスタット1例、これら2剤の使用1例)が実施されていた」と説明している。

出典:医療介護CBニュース