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医療・介護ニュース

妊娠・基礎疾患ある労働者はテレワークなど配慮を-厚労省が労使団体の長にコロナ感染予防周知求める

2020年08月07日 15:00

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 厚生労働省労働基準局長は7日、労使団体の長に対し、職場における新型コロナウイルス感染症の感染予防や健康管理の強化に協力するよう依頼した。基礎疾患などの重症化リスク因子を持っていたり、妊娠していたりする労働者に対しては、「テレワークや時差出勤などの感染予防のための就業上の配慮を行っていただきたい」としている。【新井哉】

 労使団体の長に宛てた文書では、妊娠中の労働者が、母子保健法の保健指導や健康診査に基づき、作業などにおける新型コロナウイルス感染症に感染する恐れに関する心理的なストレスが母体・胎児の健康保持に影響があるとして、医師や助産師から指導を受け、それを事業主に申し出たケースを取り上げている。

 事業主は、この指導に基づき、作業の制限、出勤の制限(テレワーク、休業)などの措置を講じる必要があると説明。テレワークを行う場合は、メンタルヘルスの問題が顕在化しやすいという指摘があることにも留意するよう促している。また、新型コロナウイルス感染症に関することも含めたメンタル不調などについてメールや電話による相談を受け付ける「こころの耳」や、精神保健福祉センターなどのメンタルヘルスに関する労働相談窓口を労働者に周知するよう求めている。

 労災補償にも言及しており、「労働者が業務に起因して新型コロナウイルスに感染したものと認められる場合には、労災保険給付の対象となる」と説明。医療従事者や飲食店員、小売店販売員、タクシー乗務員など「多様な職種」の労働者の労災認定を行っていることにも触れ、「業務に起因して感染したと思われる労働者から積極的に労災請求がなされるよう労災請求を勧奨していただきたい」としている。

 このほか、参考資料として、「人との間隔は、できるだけ2m(最低1m)空けることを求めている」「業態に応じて可能な範囲で出勤を抑制するように努めている」などの項目を確認する「職場における新型コロナウイルス感染症の拡大を防止するためのチェックリスト」、執務室内で作業する労働者の半数がマスクをしていなかったことや、席配置について他の労働者と密接する環境であったことなどが「集団感染が発生した原因として考えられる」と指摘している「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に係る職場における集団感染事例」を挙げている。

出典:医療介護CBニュース