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医療・介護ニュース

コロナ回復者からの献血「条件考えておくべき」-厚労省が研究班の報告を公表

2020年07月21日 16:40

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 厚生労働省は21日、採血事業体制の構築に関する研究班の報告を公表した。新型コロナウイルスに関連した血液製剤の安全性を検討した結果を記載。研究者のコメントも取り上げており、供給が厳しい状況が発生した場合、新型コロナウイルス感染症の回復者からの献血について「可能とする条件を考えておくべき」としている。【新井哉】

 研究班の報告では、「血流感染で感染するリスク」について、新型コロナウイルスの感染者の血中にウイルスが存在するケースはそれほど多くはないことや、ウイルス血症になっているケースは重症の患者に多く、SARSと比較してウイルス濃度は高くないといった報告があることを説明。こうした状況を踏まえ、世界保健機関(WHO)のガイドラインに基づき、「リスクとベネフィットのバランスを考慮に入れた対応が求められる」としている。

 輸血用血液製剤の供給量にも言及しており、新型コロナウイルスの感染拡大の状況下では、医療機関での不急な手術の延期などにより、日本赤十字社の予定供給量の92-93%で推移したことなどを説明。供給体制が堅持できている現状では、新型コロナウイルス感染症の回復者からの献血について、「至急考慮すべき状況ではない」としながらも、「可能性の問題」として、回復者からの献血を可能とする条件を考える必要性を挙げている。

出典:医療介護CBニュース