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医療・介護ニュース

性犯罪性暴力被害トラウマ、専門性備えた医師不足-内閣府特命担当相、強化方針を都道府県知事に通知

2020年06月22日 17:35

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 性犯罪・性暴力対策強化のための関係府省会議議長の橋本聖子・内閣府特命担当相は、「性犯罪・性暴力対策の強化の方針」に関する通知(11日付)を、都道府県知事に出した。2020年度から22年度までの3年間を、性犯罪・性暴力対策の「集中強化期間」として、被害者支援の充実や加害者対策、教育・啓発の強化などに取り組むことを記載。都道府県に対し、対策の強化に力を尽くすよう求めている。【新井哉】

 この方針は、内閣府、厚生労働省、法務省、文部科学省、警察庁の局長級を構成員とする同会議が決定したもので、性犯罪・性暴力について、「被害者の人としての尊厳を傷付け、心身に深刻な影響を与え、その後の生活にも甚大な影響を与えることが多い」などとしている。

 性犯罪・性暴力被害者支援に関しては、「病院(産婦人科、精神科等)との連携は重要」と説明。病院にワンストップ支援センターを設置することや、必ずつながることができる中核的病院と提携することの必要性に触れ、「特に中長期的な関係の安定を見据えた公立病院や公的病院への設置や提携を含め、関係強化を図る」といった方向性を示している。

 また、性犯罪・性暴力被害の影響は、トラウマとなることや、生活面も含め中長期にわたることもあるとし、「これに対応する支援体制の構築が必要である」と記載。トラウマについては、「精神科専門医等による適切な治療により回復できるものである一方で、専門性を備えた医師が不足しており、医師等の専門職の育成と適切な処遇についての検討を行う」としている。

出典:医療介護CBニュース