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医療・介護ニュース

三師会が合同会見で薬価調査見送りを主張-「実施できるような環境にない」

2020年06月10日 21:50

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 日本医師会、日本歯科医師会、日本薬剤師会は10日、合同記者会見を開き、今秋の実施が予定されている薬価調査の実施を見送るよう主張した。新型コロナウイルス感染症の発生への対応を優先する必要があるため、医薬品の販売側・購入側双方に薬価調査を実施できるような環境にないとして、政府に働き掛ける方針。【吉木ちひろ】

 会見には横倉義武・日医会長、堀憲郎・日歯会長、山本信夫・日薬会長が出席。医療機関や薬局では、医薬品卸業者が感染防止のための配送体制を組んでいることから医薬品の価格交渉ができておらず、「薬価改定に必要な適切な市場実勢価格を把握することは極めて困難」などとして、三師会で薬価調査の実施を見送る要望書を取りまとめた。

 山本・日薬会長は会見で、「この時期に、改めて各医療機関や薬局に大きな負担を掛けつつ、その一方で新型コロナ対策にも尽力しろというのはいささか無理なお話」などと主張。同日の中央社会保険医療協議会の薬価専門部会や総会では各団体から反対意見が出たことにも触れて、見送りは医療提供側の立場の総意であると強調した。

 横倉・日医会長は、未妥結減算制度についても「今年導入するかどうかを含めて議論していかなければ」と述べた。

出典:医療介護CBニュース