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医療・介護ニュース

精神医療センターで薬物依存症治療プログラム提供-大阪府が再犯防止推進計画を公表

2020年04月14日 12:30

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 大阪府はこのほど、「大阪府再犯防止推進計画」(2020-23年度)を公表した。府の精神科の基幹病院となっている府立病院機構大阪精神医療センター(枚方市、473床)で、薬物依存症の治療プログラムを提供するとしている。【新井哉】

 計画では、18年の大阪府警における覚せい剤取締法違反による検挙人員は1276人で、このうち成人が1263人となっていることを説明。成人の検挙人員のうち、同法違反の前科者が915人(72.4%)に上っていることに触れ、「再犯率が高いことが特徴」としている。

 執行猶予判決を受けた薬物事犯者(主に初犯者)は、再犯者に比べ、薬物依存の程度が低く、回復の見込みが高い一方で、「薬物依存回復支援プログラム」の受講が義務付けられていないことを指摘。「本人が自発的にプログラムを受講しない場合には、薬物依存症の治療・支援等に確実につなげることが難しいのが現状」としている。

 また、大阪保護観察所における保護観察の対象となった966人のうち、医療機関などによる治療・支援を受けたのは10人で、全体の1.0%にとどまっていることなども取り上げている。

 こうした状況などを踏まえ、計画では、依存症の医療提供体制を強化する方向性を打ち出している。大阪精神医療センターで治療プログラムを提供することに加え、薬物依存症の専門医療機関と治療拠点機関を選定し、薬物依存症の治療を提供できる専門医療体制を強化するとともに、専門医療機関の周知を図る方針だ。

出典:医療介護CBニュース