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医療・介護ニュース

21年度の専攻医募集のシーリングを提案、専門医機構-医道審・医師専門研修部会

2020年04月10日 20:20

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 日本専門医機構は10日、持ち回りで開催された医道審議会・医師専門研修部会に、2021年度から研修を始める専攻医のシーリング(採用数の上限)に関する基本的な考え方を示した。シーリング数の計算方法は、「2018年-20年の平均採用数」 から、「18年-20年の平均採用数」と「24年の必要医師数を達成するための年間養成数」の差分の20%を除いた数とすることなどを提案。同部会では、9月中旬に開催予定の次回の会合で機構案について議論する。【松村秀士】

 機構案によると、シーリングの対象となるのは、18年の医師数が、18年および24年の必要医師数と同じか、それらを上回る都道府県別診療科。ただし、例外的に外科や産婦人科、病理、臨床検査、救急科、総合診療科は対象外とする。専攻医が著しく少ないなど、これらの診療科には何らかの理由があるため。

 また、連携プログラムを設定する場合、このプログラムを除く21年度募集プログラムの地域貢献率が原則として20%以上必要になる。

 採用数が少数の都道府県別診療科のシーリングについては、18-20年の3年間の採用数のうち、最も大きい数とするほか、シーリング数が5以下の都道府県別診療科をシーリングの対象から外す。さらに、地域医療対策協議会で認められた地域枠の医師や自治医科大出身の医師はシーリングの枠外での採用を可能とする。

■機構案に2つの論点を提示-厚労省

 厚生労働省は10日の部会で、機構のシーリング案について今後、都道府県に意見を求める際に重点的に議論を求めるポイントを示した。

 具体的には、▽大都市周辺の都道府県以外の専攻医を増やすため、特に連携プログラムに関してブロック別の連携プログラムの導入などの工夫▽採用実績の年数が増えるに伴い、単年度だけ突発的に採用数が増加した都道府県にシーリングが設けられやすくなることへの対応-の2点。

出典:医療介護CBニュース