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医療・介護ニュース

日本医師会が「医療危機的状況宣言」-新型コロナウイルスの感染拡大受け

2020年04月01日 21:15

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 日本医師会は1日の定例記者会見で、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う医療現場の危機的な状況について発信し、広く行動変容を促すため、「医療危機的状況宣言」を出した。東京など一部地域のベッドの逼迫状況や欧米の死亡者が2週間程度で急増している事実を踏まえ、医療提供体制の維持が困難な状況にあるとして警鐘を鳴らしている。【吉木ちひろ】

 「宣言」は、現状の新型コロナウイルスに対する医療現場の対応について、「多くの資源を注入しながら、それ以外の疾病も継続するという危機的な状況に陥りつつある」と指摘。その上で、「2週間後に結果が表れることから、感染爆発が起こってからでは遅く、今のうちに対策を」と促し、広く一般国民を対象に自身の健康管理や適切な受診行動を求めている。

 横倉義武会長は、新型コロナウイルス感染症による死亡者について、米国や英国はそれぞれ3月17日時点では74人、55人だったものが2週間後の31日にはそれぞれ3,008人、1,408人まで膨れ上がったことを説明。日本の現在の対策についても、およそ2週間後に結果が表れることが想定されることから、「感染爆発が起こってからでは遅い。今のうちにしっかり対策を講じておくべき」として、医療現場から発信すべきとの判断に至ったことを説明した。

 また、現在、導入に向けて検討が進められている新型コロナウイルスの抗体検査にも言及した。抗体検査は採血して行うため、医療従事者などの感染のリスクが低いという。症状が出てから2週間程度で抗体価の上昇が捉えられる特性があることから、「現在の集団免疫がどのような状況にあるかという把握につながる」と述べた。

出典:医療介護CBニュース