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医療・介護ニュース

住民のQOL実現する地域包括ケア拠点目指す-岩見沢市立総合病院が基本構想素案公表

2020年03月16日 18:45

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 岩見沢市立総合病院(北海道岩見沢市)はこのほど、新病院建設基本構想の素案を公表した。新病院のコンセプトについては、質の高い急性期医療の提供を維持・強化するとともに、南空知医療圏住民の生活的価値(QOL)を実現する地域包括ケアの拠点ともなる病院を目指すことを掲げている。【新井哉】

 素案では、同医療圏について「将来の人口減少が予測されている一方、入院患者数は穏やかな減少傾向である」と見込まれていることを記載。医師不足や後継者不足などの理由による医療機関の閉鎖などによって、相対的に同病院に医療需要が集中する可能性があることに触れ、同医療圏における医療体制を支える中核病院としての役割を今後も担うとしている。

 「新病院が目指す病院像」に関しては、▽急性期医療・救急医療提供体制の充実▽地域医療連携と回復期機能の充実▽がん治療体制、透析療法、精神医療の提供▽災害拠点病院の役割▽研修環境の提供▽チーム医療の推進-などを挙げている。

 精神医療については、近隣の精神科医療機関や福祉施設などとの連携を強化し、長期入院患者の地域移行や早期退院・社会復帰を促進。災害医療についても、北海道胆振東部地震の経験を踏まえ、「安全かつ十分な電力を賄う自家発電装置」を設置するなど、災害に強い病院設備の整備を図る。

 また、急性期を脱して在宅復帰を目指す途上にある患者のために、回復期リハビリテーション病床の設置などを検討することを明記。がん治療体制についても、最先端医療機能の整備や緩和ケア病床の設置などを検討し、将来的にはがん診療連携拠点病院の指定を目指す。

出典:医療介護CBニュース