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医療・介護ニュース

介護へ「医療の介入を強めていきたい」-日医会長、政策について見解

2019年12月12日 15:10

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 介護の現状は介護保険制度ができた当初と比べて「ビジネスベースにあまりにもなり過ぎている」-。日本医師会(日医)の横倉義武会長がこのような懸念を示した。医療機関の経営層や製薬企業などが参加したフォーラムでの発言。その上で日医として「医療の介入を強めていきたい」との考えを述べた。【吉木ちひろ】

 この見解は、11日に東京都内で開催された医療フォーラムで主宰の岩田明達氏による問題提起に応じたもの。横倉会長は日医の医療政策について講演した後、医療機関の経営者や製薬企業の関係者らおよそ280人を前に自らの考えを述べた。

 当日のフォーラムのテーマは医療・介護の制度改革や診療報酬改定、政府の「経済財政運営と改革の基本方針2019」(骨太方針2019)について。その中で、医療法人の経営に関わり、現在は全日本病院協会の参与などを務める岩田氏が、介護の現状について問題提起した。

 外国人人材に頼らざるを得ない担い手不足などの問題に言及したほか、「ケアマネジャーは、大半はビジネス」としての視点で仕事をする立場になっているなどとする私見を展開し、その上で横倉会長に対して要介護の高齢者や介護保険制度への関わりを強めていくよう求めた。

 横倉会長はこれを受け、介護保険制度開始時には政治や行政に医師の関与を求め、その見解を伝えてきたとして、「だんだんと変質してきているのが現状」と応じた。その上で、自らも地域で病院を運営している立場から、介護施設から患者を受け入れる上で「どうしても医療が手薄なところの方の応対が相当大きくある。そういうことがないように、いかにしていくかということが重要」と見解を述べ、介護保険担当の日医役員(現在は江澤和彦常任理事)に積極的な発言を促したいとの考えを示した。

出典:医療介護CBニュース