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医療・介護ニュース

新専門医制度の基本領域「近々の見直しは大混乱来す」-寺本・専門医機構理事長

2019年11月18日 18:05

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 日本専門医機構の寺本民生理事長は18日の定例記者会見で、新専門医制度での19の基本領域を直ちに見直すのは時期尚早だとの考えを示した。医道審議会の医師専門研修部会で、複数の委員から基本領域の在り方を再検討すべきだとの意見が出たことに対する見解で、寺本理事長は、基本領域を直ちに見直せば現場が大混乱を起こす恐れがあると懸念している。【松村秀士】

 8日に開かれた同部会では、「国民にとって分かりやすいのは、医療法上の標榜科。分かりやすい専門医制度にするなら、標榜科と基本領域を合わせていくことが必要」「基本領域の部分が国民に分かりにくい」など、基本領域の在り方を再検討すべきだとの意見が上がった。

 寺本理事長は18日の会見で、基本領域の見直しについて、「いつかはその議論をしなければならない」とした上で、「今のところあってはならない。近々にそのようなことをすると大混乱を来す」と指摘。基本領域の見直しの検討は、新専門医制度の運営が安定してから行う必要があるとの考えを示した。

 また、23のサブスペシャルティ領域に関する方向性を整理するワーキンググループが同部会の下部組織として設置されることについて、「(部会や機構とは)違う視点で意見を頂くというのは、ありだと思っている。今年度中に方向性が出てくるだろう」と期待を示した。

■20年度の専攻医、一次登録は8600人超

 寺本理事長はまた、2020年度の専攻医の一次募集(登録)を15日に終了し、8613人が登録したことを明らかにした。同機構では二次募集も終えると、最終的に9000人程度が登録すると見込んでいる。

出典:医療介護CBニュース