閉じる

医療・介護ニュース

「超強化型」、老健の約4割が届け出-日慢協、19年度の運営状況調査結果を公表

2019年10月15日 16:50

印刷

 日本慢性期医療協会(日慢協)は、2019年7月時点の会員の老人保健施設(老健)が届け出ている介護報酬上の基本報酬の区分について、「超強化型」を届け出ている施設が38.2%に上ることを明らかにした。在宅復帰・在宅療養支援に取り組む施設を評価するために再編された区分において、18年度時点と比べて上位に移行している施設が増えている。訪問リハビリテーションを実施している老健の割合は、12.4ポイント増加して26.4%となった。【吉木ちひろ】

 調査では、日慢協の会員や会員関連病院の老健の運営状況について131施設(定員1万1529人)から回答を得た。なお、18年7月に実施した調査の結果(150施設が回答)との比較値を示しているが、回答施設の内訳は18年度時点と一致していない。

 それによると、回答した老健全体の稼働率は92.2%で18年度と同水準だった。18年度の介護報酬改定で再編された基本報酬の区分のうち、「『在宅復帰・在宅療養支援等指標』が70以上であること」などを要件とする、最も上位の「超強化型」を届け出ている施設の割合は38.2%で、18年度と比べて16.9ポイント増加した。以下、上位の区分から「在宅強化型」10.7%(2.0ポイント増)、「加算型」31.3%(2.7ポイント減)、「基本型」16.8%(12.5ポイント減)、「その他型」0.8%(2.5ポイント減)となっている。「介護療養型老健」は2.3%(1.0ポイント減)だった。

 在宅復帰や在宅療養支援機能に関連して、通所リハビリテーションや訪問リハビリテーションの実施状況では、「通所リハビリテーション」を実施していると回答した施設が91.5%(18年度比8.2ポイント増)、「訪問リハビリテーション」を実施していると回答した施設が26.4%(18年度比12.4ポイント増)でいずれも増加した。

 在宅復帰・在宅療養支援等指標の評価項目ごとの取り組み状況については、「ベッド回転率」(最高評価の「10%以上」の割合が18年度48.6%、19年度57.0%)、「退所前後訪問指導割合」(最高評価の「30%以上」の割合が18年度67.8%、19年度85.2%)など、ほとんどの評価項目で最高評価の値となっている施設の割合が増えていた。また、18年度介護報酬改定に関連する各種加算の取得状況も調べており、その中で「算定している」と回答した施設が9.2%と最も低かった「かかりつけ医連携薬剤調整加算」については、日慢協で好事例を収集・共有し、算定を支援していくという。

 日慢協の田中志子老健委員会委員長(医療法人大誠会理事長)は10日の定例記者会見で、「老健が求められる役割を担うべく、それぞれの施設が努力している1年間が見て取れた」と総括した。

出典:医療介護CBニュース