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医療・介護ニュース

マイナス改定ありきで実調を軽視「あってはならない」-改めてプラス改定を主張、日医会長

2021年11月24日 19:45

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 日本医師会の中川俊男会長は24日の記者会見で、第23回医療経済実態調査の結果について、新型コロナウイルス感染症関連の補助金を除いた損益差額率が大きく悪化したため、次期診療報酬改定はためらわずプラス改定すべきだと、改めて主張した。【齋藤栄子】

 この日、中央社会保険医療協議会で公表された医療経済実態調査の結果は、2022年度の診療報酬改定の基礎資料となる。結果を受けて、これから改定に向けた中医協での議論が本格化すると中川会長は前置きし、これまでにも主張していたプラス改定を繰り返し訴えた。 また、財政制度等審議会・財政制度分科会における議論で、財務省が「年末までに全体の改定率を決めていくに当たって参考とすべき要素は乏しい可能性が高い」と、医療経済実態調査についての見方を示したことから、マイナス改定ありきでこの結果を軽視しようとするなどあってはならないと断じた。 日医の見解については、▽補助金を含んだ場合でも、一般病院の損益差額率はほぼプラスマイナスゼロで、一般診療所では損益差額率が前々年度よりも縮小▽重点医療機関は補助金を含んだ損益差額率は黒字だが、補助金がなければ大幅な赤字で、重点医療機関以外では補助金を含めても赤字▽一般診療所では、発熱外来を実施した所で、補助金を含めてもなお損益差額率が大幅に低下-など、医療経済実態調査の結果から5つのポイントを挙げた。 医業経営は極めて厳しい状況にあり、今後コロナが収束していけば補助金もなくなるため、「今ここで、診療報酬できちんと手当てしなければ、地域医療を立ち直らせることはできない」と、中川会長は強調した。

出典:医療介護CBニュース