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医療・介護ニュース

高齢者施設おむつカート、汚染物きちんと管理を-東京iCDCがコロナ感染対策事例集作成

2021年10月15日 17:05

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 東京都新型コロナウイルス感染症対策本部は14日、東京iCDC専門家ボードが「高齢者施設・障害者施設の新型コロナウイルス感染対策事例集」を作成したと発表した。これまで複数の高齢者・障害者施設でクラスターが発生していることや、ワクチン接種済みの人が感染するブレイクスルー感染も発生していることを踏まえ、不十分な感染対策などの実例を紹介している。【新井哉】

 事例集では、高齢者や障害者は感染した際に重症化するリスクが高い場合もあることや、高齢者・障害者施設では、感染症が一度発生すると集団発生となる例も多いため、日ごろから感染防止のための対策や施設の体制を整備し、取り組んでいく必要性を挙げている。

 感染対策に関しては、▽環境整備▽医療廃棄物▽手指衛生▽PPE(個人防護具)▽管理体制▽ゾーニング-などの項目ごとに「間違った事例」と「正しい事例」を解説。例えば、おむつカートを使用する場合は、「積載する物を極力減らして、汚染された物と清潔な物とを明確に分別する」と記載。おむつカートを介して感染が広がる危険があるため、「使用せざるを得ない場合は物品をできるだけ少なくし、汚染物をきちんと管理する」などとしている。

 更衣室については、3密の状態になりやすく、職員間で感染が広がるリスクがあると説明。「更衣室内での会話の禁止」「マスク着用の徹底」「滞在時間の短縮化」など、3密にならないよう工夫し、手指衛生・換気などの基本的な感染対策を確実に行うよう求めている。

 個人防護具については、「一度着用したガウンは再利用せず、入所者ごとに使い捨てで対応する」と明記している。また、入所者の歯ブラシをまとめて家庭用塩素系漂白剤や除菌水で洗浄し、まとめて保管していることを「間違った事例」として提示。体液による交差感染が起きる可能性があるため、「やむを得ず集合して管理する場合」は、歯ブラシ同士が触れないよう十分に距離を取るとしている。

出典:医療介護CBニュース