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医療・介護ニュース

「透析は医療崩壊」3学会が入院受け入れ要請-透析患者の感染急増受け

2021年01月13日 15:05

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 新型コロナウイルスに感染する透析患者が急増し、既に医療崩壊と呼べる状況にあるとして、日本透析医会など3学会の合同委員会が、透析患者の入院を1人でも受け入れるよう医療機関に検討を呼び掛けている。【兼松昭夫】

 合同委員会は、日本透析医会、日本透析医学会、日本腎臓学会による「新型コロナウイルス感染対策合同委員会」。

 新型コロナに感染する透析患者の急増を受けて8日、入院患者の新規受け入れや増床など5点を医療機関に呼び掛けた。入院に関しては、透析患者をまだ受け入れていない医療機関に対して1 人でも受け入れる方向で検討を要請し、既に受け入れている医療機関にも増床の検討を求めた。主要都市で感染者が急増し、現在の受け入れ先だけでは入院調整を行うのが困難だとしている。

 合同委員会の集計によると、新型コロナに感染した全国の透析患者は7日午後4時現在700人で、2020年12月25日の522人から2週間で一気に34%増えた。地域別では、東京201人(2週間で25.6%増)、東京を除く関東が計175人(34.6%増)、大阪を含む近畿が計128人(21.9%増)など。

 東京23区内の医療機関が参加する都区部災害時透析医療ネットワークによると、都内では透析患者用のベッドが2日時点で満床になった。また、合同委員会によると首都圏や大阪、愛知などでも感染者が急増し、無症状・軽症でも透析患者を入院させるという原則を維持できず入院先が決まるまで従来の医療機関で透析を続けざるを得ないという。

 入院中に重症化しても転院先を見つけるのが困難な地域もあるといい、合同委員会は「透析領域では医療崩壊と呼べる状況」だとしている。

 透析患者には糖尿病などの基礎疾患を持つ人や高齢者が多く、感染者の重症化リスクの高さが指摘されている。7日現在の感染者700人のうち、死亡者は83人と1割超を占めた。合同委員会では、マスクの常時着用や定期的な換気など、感染を防ぐための患者教育の徹底も呼び掛けた。

出典:医療介護CBニュース