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医療・介護ニュース

コロナ患者移送車、ビニールシートで空間分離可能-厚労省、接触ない運転手「個人防護具を要しない」

2020年12月15日 19:00

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 厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策推進本部は、新型コロナウイルス感染症患者らの移送車に関する事務連絡(11日付)を、都道府県、保健所設置市、特別区に出した。【新井哉】

 新型コロナウイルス感染症の患者の移送を巡っては、自治体や消防機関で、患者を隔離しながら搬送できるアイソレータを導入するケースが相次いでいる。内部を陰圧にして外部へのウイルスの拡散を防ぎ、救急隊員らが感染するリスクを減らす狙いがある。

 「感染症の患者の移送の手引きについて」(2004年3月31日付、厚労省健康局結核感染症課長通知)でも、移送のポイントとして、▽病原体の特性に応じた感染拡大防止の実施▽人権への配慮▽適切な資機材による移送▽移送従事者の安全の確保-の4項目を遵守する必要性を提示。感染症専用の車両と救急車などを改造した場合の2通りのモデルを示し、その中でアイソレータを明記していた。

 事務連絡では、このモデルを「参考とする」としながらも、「必ずしも移送車にアイソレータ及び陰圧の設備を設置することを要さない」との見解を提示。「ただし、その際は、運転席と患者等がいる空間をビニールシート等で適切に分離すること」としている。

 また、移送に当たっては、患者の状態を踏まえ、「患者等にサージカルマスクを着用させること」や「車内を可能な限り換気すること」などを求めている。移送に係る従事者に関しては、個人防護具を適切に使用することを求めているが、「ただし、運転席と患者等がいる空間が適切に分離されている場合には、運転手は患者に接触しない限り、個人防護具を要しない」との見解を示している。

出典:医療介護CBニュース