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医療・介護ニュース

介護現場のテクノロジー実装目指し、業界団体発足-事業者と開発企業横断で政策提言へ

2020年11月12日 18:45

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 介護現場でのICTなどテクノロジーの活用を加速化するため、介護事業者や研究者、ケアテック事業者が協力して横断的な活動を始める。11日に設立記者会見を開いた日本ケアテック協会は、介護事業者と開発企業をつなぎ、現場の課題に即した開発やデータ収集などに取り組む。また、事業者がテクノロジーへの投資に前向きになれるよう、介護報酬上の手当てなどについて政策提言することを目指す。【吉木ちひろ】

 発起人は、ケアプランの作成を支援するAIの開発を進めるウェルモ(東京都千代田区)の鹿野佑介代表取締役CEO。同協会の代表理事を務める。このほかに設立会見では、介護事業者向けのITコンサル事業などを手掛けるビーブリッド(同台東区)代表取締役の竹下康平専務理事兼事務局長や、デイサービス事業者のポラリス(兵庫県宝塚市)の代表取締役である森剛士常務理事が抱負などを述べた。このほかに、理事には、セントケア・ホールディングで訪問看護事業の総責任者を経験し、ロボット事業の創設にも関わった岡本茂雄氏や日本製薬団体連合会理事長の宮島俊彦氏、パナソニックのテクノロジー本部の山岡勝氏などが名を連ねる。

 ICT化など介護現場でのテクノロジーの活用が十分に進まない実態について鹿野代表理事は、「介護事業者と開発企業の間に共通言語もなく、平行線の状態」と説明。協会の設立趣旨については、「本当に使えるものを作っていくため互いに歩み寄る場としたい」などと述べた。介護事業者と開発企業などが協力してテクノロジーの実装に向けた調査やデータ収集を行い、学会や職能団体への提案や意見交換に生かしていく考え。また、製品やサービスの認証制度の運営や開発ベンチャーなどへの実証環境の提供などを予定しているという。

出典:医療介護CBニュース