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薬を選ぶ時代、ますます重要となる薬剤師の役割〈日本薬学会 セミナー ジェネリック医薬品と服薬指導〉

ジェネリック医薬品と服薬指導〜2010年調剤報酬改定を踏まえて〜

2010年3月28日(日)[岡山]

岩月 進先生(社団法人 日本薬剤師会 前常務理事)

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2010年3月28日〜30日に岡山にて日本薬学会第130年会が開催されました。その中で「ジェネリック医薬品と服薬指導〜2010年調剤報酬改定を踏まえて〜」についてのセミナーが沢井製薬の共催により開催され、座長に千堂年昭先生(岡山大学病院 教授・薬剤部長)を迎え、岩月進先生(社団法人 日本薬剤師会 前常務理事)による講演が行われました。

「医薬分業の中で薬剤師はどのような役割を果たすべきか」が改めて問われています。ジェネリック医薬品の普及を薬剤師が担うことは、この問い掛けに対する一つの答えでもあります。
今回の日本薬学会ランチョンセミナーでは、調剤現場と国の施策、両方に詳しい社団法人 日本薬剤師会 前常務理事の岩月進先生が、ジェネリック医薬品と薬剤師の関係について満員となる700名を前に講演を行いました。

4月から調剤報酬が改定されますます広がりをみせるジェネリック医薬品

 今回の調剤報酬改定では、調剤部分でプラス0.52%(約300億円)となったものの、薬価が下がった分、薬局における収入は減少します。全体の流れは、技術料が伸びる一方で、薬価の引き下げが大きく、薬局経営にとっては厳しい状況が続くと考えられます。
 また、ハイリスク薬に関する管理指導の充実と、ジェネリック医薬品使用促進も主な注目点となります。
 国はジェネリック医薬品使用割合30%以上という目標達成に向け、数量ベースでの段階的加算という新たな誘導策を打ち出したのですが、現状で最高要件の30%以上に該当する薬局は全国5万軒の薬局中、1割程度とされています。新しい算定基準が容易にクリアできる基準ではないと同時に、クリアするためには、薬剤師の職能がより重要なポイントとなることが分かります。
 今回もう一つ注目される点は、薬局の在庫管理の負担を軽減する観点から、薬局における規格・含量違いの変更調剤が認められたことです。これは薬剤師の調剤技能の拡大に繋がる重要な変更です。変更調剤が可能となることは、処方せんが「設計図」から「仕様書」に変わる程の大きな意味を持ちます。いかに「仕様書」に基づき適切な調剤設計を行うか、薬剤師の力量がこれまで以上に試されるでしょう。患者さんの負担軽減だけでなく、使用感・有用性が高まる変更ならば、大いに実施すべきです。

本来の「調剤」とは何か?

 そもそも「調剤」とは、「一定の処方に従って2種類以上の薬品を配合し、または1種の薬品を使用し、特定の疾病に対する薬剤を調製する行為」を意味しますが、処方薬の確認や薬剤の調製までを「調剤」と捉える人が多いのが実情です。日本薬剤師会では、処方薬の確認、薬剤の調製から患者さんへの説明までを「調剤」としています。調剤の本質は最適な薬物を最適な投与方法・タイミングで、最適な量を患部に届けることにあり、薬物療法における医薬品調達から患部への配送までのシステム全般を指すのです。調剤指針には、薬剤服用歴の管理や服薬指導などについては書かれていますが、調剤の手順にまでは触れられていません。
 実際に薬局の現場では、調剤は薬の取り揃え作業となっています。待ち時間をなるべく短くしようとするあまり、早く薬を作って早く渡すということが最優先になるため、薬剤師ではない受付者が処方せんとお薬手帳を受け取り、専門職である薬剤師は患者さんを見るより前に指示された薬を取り揃えにかかる、という作業手順になりがちです。服薬指導が後回しになることで、ジェネリック医薬品についての説明や医薬品の情報提供などが十分に行えない状況になってしまいます。
 医師はまず問診から始めるのに、薬剤師は薬を先に作ってしまってから、患者さんに『どうですか?』と尋ねています。これでは患者さんから見れば薬剤師は医師が指示した薬を揃えて出す人に過ぎないように見えてしまいます。こういう手順のままでは今課題になっているジェネリック医薬品に切り替えるチャンスは少なくなります。

調剤手順を見直し、服薬指導の徹底を!

 そのような状況を変えるためにも、今の調剤手順を、早く薬を渡すという効率的な調剤手順から、患者さん指向のカウンセリングを中心とした調剤手順へ見直すべきでしょう。つまり、薬の取り揃えからではなく服薬指導から始めるのです。
 服薬指導から始めることで、薬歴も自ずと充実してきます。服薬指導の結果の要点を記載するのが薬歴ですから、当然、薬を作る前に、過去の薬歴を見て、この薬で問題はなかったのか、今日調剤された薬で相互作用やアレルギーに問題はないのか確認する必要があります。処方せんを受け付けた後、薬歴やお薬手帳の確認を行い、本当にこの処方せんどおりで調剤して良いのか確認してから調剤に移ろうということです。その手順であれば、患者さんの情報に基づいた疑義照会や、場合によっては処方変更なども行いやすくなります。その際、ジェネリック医薬品の説明なども自然と行えるはずです。そうなれば、レセプトの入力や領収書の印字など事務作業は調剤の後になります。
 日本薬剤師会でも調剤手順を変えることによってどういうメリット、デメリットがあるかについて現在調査が進められており、近々調査結果が出される予定です。ジェネリック医薬品への銘柄変更の際に参考とするための、「ジェネリック医薬品使用・銘柄変更ガイダンス(第1版)」(日本薬剤師会制作)も発表されました。
 またジェネリック医薬品については、最初の開発から20年以上も経過しているので、より患者さんの立場に立った改良が求められます。例えば錠剤のサイズや味、外用薬の使用感の向上、パッケージや表示の改善などでより服用しやすく、使いやすくするための工夫があるべきでしょう。ただし、利便性は患者さんによって異なるため、十分に確認する必要があります。そこでも重要となるのが服薬指導なのです。

これからの薬剤師のあるべき姿とは

 患者さんを診断して薬を処方するところまでは医師の役割。そこから先、患者さんの具合や状況を見極めながら最適な薬を選択するのは薬剤師の本来の役割です。薬を選択する時代に突入した今、患者さんへのコミュニケーションスキル、リーダーシップをとり最適な調剤をするマネージメント力、調剤後もその経過をしっかりと見守るモニタリング力、さらには医師への情報提供力、どれも欠かすことはできません。
 薬剤師の役割はこれからますます重要となっていくのです。

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