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薬局訪問記

疑義照会の的確性を調べ、技能向上に繋げる

まりん薬局西大寺店(奈良県)

運営・有限会社メディファ、本社・奈良県奈良市。奈良、大阪に3店舗のまりん薬局を展開する。

患者への聞き取りから疑義照会をする

まりん薬局西大寺店は2002年の開局以来、患者の満足度を高める調剤業務をコンセプトとしている。同店が応需する処方せん(約3200枚/月)の大半は同じフロアのクリニックから発行されているため、今後の課題は駅から1分足らずという好立地を活かして他の医療機関からの処方せん応需枚数を増やすこと。応需医療機関の拡大によって、複数受診する患者が多くなり、疑義照会の重要性も高まる。

メディファの統括マネージャーである杉浦才智子氏は「患者さんが何か薬のことを考えた時に、当店の薬剤師の顔を思い浮かべてもらえる存在になれるような対応を心掛けている」として「そのためにもまずは、調剤業務を基本から現場に見合う応用まで、細かく対応することの徹底を図った」と話す。まず取り組んだのが同店で1年間行われた疑義照会の件数と内容の集計と解析。2006年に応需した全ての処方せんを集計した結果、疑義照会は828件であり、この全事例を次の項目別に分類した。

1禁忌、2併用注意・重複投薬(防止加算)、3副作用歴、4アレルギー歴、5既往歴(合併症)、6妊娠・授乳中、7規格間違い、8薬剤名間違い、9用量に関する疑問、10規格脱落、11その他

1〜10項目は患者の危険回避に直結する内容と捉え、「その他」には用法の確認や、「後発医薬品への変更可」にサインがない処方せんにおいて、患者が後発医薬品への変更を希望した際に、処方医師に問い合わせたケースなどが含まれる。

項目の7〜10は主に事務的なミスとなっている。規格脱落は手書き処方せんでの記入漏れ、薬剤名や規格の間違いであったケースは、カルテを基にパソコンで処方薬を打ち込む時に、クリックする欄のズレなどが主な原因であるだろうとしている。前記以外の1〜6の項目は患者に対しての聞き取りや、薬歴を活用したために発見出来たことであり、医薬分業やかかりつけ薬局の重要性を示していると分析する。

事務的ミス以外、つまり1〜6は62件、そのうち実際に処方が変更となったのは48件で77・4%であった。この割合は「疑義照会の内容が実際に、重要で的確だったことを示していると思う」(杉浦氏)とする。

薬剤師の使命と責任

杉浦氏が疑義照会を重要視するのは、病院薬剤師として勤務していた経験が大きい。院内で医局と薬局の信頼関係から、医師から相談を受けて自身の薬学的知識や考えが処方に反映されることが多く「疑義を問うだけでなく、そこからどう処方を変えれば良いか等、処方医から相談されることに発展することもあり、それは処方への参画と考えています。自分の意見が少しでも反映された処方では、その患者さんの容態や副作用がことさら気がかりで、とても責任とやりがいを感じました」(杉浦氏)と述べる。調剤薬局での業務に仕事が変わっても、特に疑義照会に対して意識が高いとする。

店舗一丸の取り組みが団結力を生む

今回の疑義照会集計について薬局長の車埜雅也氏は「日頃の業務の見直しと疑義照会の大切さを再確認出来たことがもちろん大きいですが、日々の調剤業務の合間や営業終了後に店舗一丸となって集計作業に取り組んだことが、団結力を強めたことにもなりました」と、薬局内の活性化にも効果を生んだとする。

同店では開局以来、疑義照会や患者からの問い合わせ等の記録は、処方せんや薬歴簿だけでなくノートにも一覧としてまとめており、日々のルーチン業務の一つにしている。杉浦氏は「今回の一連の取り組みは、昨年の日本薬剤師会の学会でも発表するなどして、普段の業務の中で埋もれがちなソフト面の業績を、目に見える形にしています。これが薬剤師のモチベーションを向上させ、自己研鑽に繋がればと考えています。調剤薬局は選ばれるためにあらゆることを試行錯誤していますが、それをいかにアピールして、患者さんに選んでもらえる薬局になれるように、信頼関係を構築していけるかが今後の課題です」と語る。

(2008年4月)

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