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薬局訪問記

疾患別の担当薬局制度を作り各薬局が情報を共有する

株式会社イムノファーマシー大阪

本社・大阪市城東区。大阪府を中心とする関西地区に、直営17店舗、提携2店舗、フランチャイズ4店舗の計23店舗の保険調剤薬局を展開。1ヵ月に合計約3万枚の処方せんを応需する。

学術機能を薬局単位で分担

イムノファーマシー大阪が行っている「疾患別担当薬局制度」は、詳細な医薬品情報や服薬指導方法などを各店舗が疾患別に担当し、資料やツールを作成することで他店舗からの問い合わせや相談の窓口になるというシステムである。つまり疾患別に情報センターの役割を分散して担うわけだ。

切っ掛けは3年ほど前。現場から本社に、「わからないことをいつでも問い合わせできる学術的な機能部門を作って欲しい」という声が上がったことだった。取締役事業本部長の多田とも子氏は、「疾患について最も知識と経験を持っているのは、本部の人間ではなく日々患者様に接している現場の薬剤師であるはず。チェーン全体で見ればあらゆる診療科を網羅しているのだから、各店舗に蓄積された知識やノウハウを持ち寄り、共有する方法をとるべきだと考えた」と語る。

当初は「担当薬局」制度ではなく「担当者」制度も考えたが、個人では負担も不安も大きくなると判断し「薬局ごと・全員参加」に決めた。この方法であれば、入社間もない薬剤師も参加できるというメリットもある。

現在、フランチャイズ店を除く18店舗で取り組んでおり、開店したばかりの1店舗も時期を見て加わる予定だ。

まずは成果が形となって見える活動から

制度開始は2005年暮れから。まず、担当したい疾患について各店舗に希望を募ると、処方せんを多く受ける疾患を中心に、様々な希望が挙がった。現在は糖尿病や高血圧、脂質異常症、潰瘍性大腸炎、小児科系疾患など15に分けられ、各薬局が1〜2程度を担当している。

担当薬局が行うことには「参考書籍を紹介してほしい」「社内で講義してほしい」など様々な要望が挙がったが、まずは成果が最も目に見えやすい服薬指導に関するツール作りから始められた。具体的には1.疾患別プロブレムリスト、2.プロブレムチェックのためのQ&A集、3.疾患別おくすり手帳サポートシールの3つ。06年、まずは糖尿病をモデルに始まり、他の疾患についても制作が進められた。

制作されたツールは社内のサーバーで一元管理されているので、必要があれば各店舗はそこへアクセスすればよい。内容が更新された時はメールで全薬局に知らされるので、誰もが常に最新の資料を入手できる。

有効性を検証しながらツールを拡大

実行後は検証される。どのくらいの患者が「サポートシールが役立っている」と感じているのかを薬局窓口で聞き取ったり、薬剤師の間でプロブレムリストやQ&A集がどの程度活用されているのかアンケート調査も行う。「役立ったという意見よりも、役立たなかったという意見について原因を考え、次への改善に繋げる」(佐藤美弥子薬局支援事業部研修課副課長)。

共有の疾患別ツールは、昨年新たに4.各薬局で作成した患者向け指導せんや製薬メーカーからの入手資料がわかるリーフ集、5.各薬局の後発医薬品在庫状況がわかる一覧、6.患者からの相談事例集の3種が追加された。

入社2年目の神谷貴樹薬剤師(せきめ薬局所属)はこの取り組みについて「早く正確な調剤に加えて、これからは患者さん一人一人に合わせた情報提供、きめ細かい薬歴管理が大切。この制度を通じて、業務にも自信を持てるようになってきた」と語る。栄養士でもある同氏は、患者の食事など日常生活の視点からのアドバイスにも努めており、こうした知識は個人に留まらず社内全体にも活かされている。

これらの社内制度や取り組みは、発表は学会メンバー(現在9名)によって一昨年、昨年と関連学会で発表された。この学会メンバーは単に発表を担当するだけでなく、様々な学会や研修に出席し、新しい情報を社に持ち帰る役割も担う。今後は、「薬局や個人の『温度差』をいかに小さくするか。また、学会メンバーの様々な活動を、彼らの所属する薬局だけでなく、所属エリアの薬局間でどれだけ共有することができるか」(多田氏)、「浸透」が課題だという。

(2008年4月)

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