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2012年度診療報酬改定 ひとくち講座@ 後発医薬品使用促進のための環境整備について

1 後発医薬品調剤体制加算

 2011年12月14日の中央社会保険医療協議会(中医協)総会において、後発医薬品使用促進のための環境整備について大筋で了承された。
 後発医薬品調剤体制加算については、調剤率算出にあたり先発医薬品より薬価の高い後発医薬品や、「経腸成分栄養剤」及び「特殊ミルク製剤」は調剤数量から除外されているが、後発医薬品が存在しない「生薬」及び「漢方製剤」についても処方せんを受け付けた保険薬局における後発医薬品の使用割合(数量ベース)を引き下げているとして対象から除外される。
 「生薬」及び「漢方製剤」を除外した場合の2011年3月審査分の後発医薬品の使用割合(数量ベース)は、22.7%から24.3%に上昇する。新たな除外要件設定により後発医薬品全体の使用割合が2%程度上昇すること、また現在、後発医薬品調剤体制加算を算定している保険薬局にさらなる取組みを促すため、3段階に分けた後発医薬品調剤体制加算の2と3の使用割合を引き上げ、使用割合の増加に伴い加算がより増すよう点数のメリハリをつける。
 改定案としては、「後発医薬品調剤体制加算1」は現状維持(算出方法の変更により現行の20%が22%になる)、「後発医薬品調剤体制加算2」は25%から30%に、「後発医薬品調剤体制加算3」は30%から35%にそれぞれ引き上げる。
 なお、後発医薬品に関する加算について、「後発医薬品調剤加算(1剤につき2点)」と「後発医薬品情報提供料(1回につき10点)」については、後発医薬品調剤体制加算の見直しに合わせて整理し、合理化される。

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2 後発医薬品の情報提供
薬剤情報提供文書を活用した後発医薬品に関する情報提供

 後発医薬品に関する情報提供(価格情報を含む)を充実させる手段として、保険薬局での調剤に際し患者に渡される「薬剤情報提供文書」を活用して後発医薬品の有無、価格、在庫情報等の後発医薬品に関する情報の提供を行った場合、薬学管理料の中で評価が行われる。
 後発医薬品に関する情報提供手段として、これまで健康保険組合や自治体などが主体となって行ってきた「ジェネリック医薬品軽減額通知(後発医薬品利用差額通知)」がある。軽減額通知については、ジェネリック医薬品切り替えのきっかけとして一定の効果が見られるものの、実際に通知を受け取っている患者はまだ少なく、厚生労働省が2011年に実施した2010年度診療報改定の結果検証に係る特別調査の結果では、「軽減額通知」の受け取り経験がある患者は10.4%と一部にとどまっている。一方で、患者が後発医薬品に切り替えようと思ったきっかけの中では、薬剤師からの説明や後発医薬品に関する宣伝等の影響の割合が高い。また、患者が保険薬局で後発医薬品への変更を希望していながら、後発医薬品のない薬があることや、すでに後発医薬品が処方されていることを知らない場合がある。このため、保険薬局で渡される薬剤情報提供文書に後発医薬品の有無や価格などの情報を掲載し、軽減額通知の役割も兼ね備えることで、患者が後発医薬品を選びやすくする。
 すでに一部の保険薬局では、薬剤情報提供文書に調剤した医薬品の服用に関する情報のほか、後発医薬品の備蓄状況や差額に関する情報も記載している。差額算定の基準となる後発医薬品価格をどう設定するか、すべての患者に毎回差額情報を記載するのか、また、すでに後発医薬品が処方されている場合の対応など未知の部分も多い。今後の議論の進展が待たれる。

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3 後発医薬品使用体制加算
医療機関における後発医薬品を積極的に使用する体制の評価

 医療機関における後発医薬品の使用促進ため、薬剤部門が後発医薬品の品質や安全性、安定供給体制等の情報を収集・評価し、その結果を踏まえ院内の薬事委員会等で採用を決定する体制を整えるとともに、後発医薬品の採用品目数の割合が全体の20%以上の医療機関において、薬剤料を包括外で算定している入院患者に対する入院基本料の加算を創設している。
 しかしながら、診療報酬改定結果検証部会(検証部会)の調査結果では、加算を算定している病院は依然として少なく、2011年度では全体の17%にとどまっている。また、同調査結果では、病院における入院患者への後発医薬品の積極的使用の要件及び医師の積極的使用の要件として、「後発医薬品を処方する際の診療報酬上の評価」という回答が多く挙げられている。
 このような状況を踏まえ、医療機関におけるさらなる取組みを進めるため、現行の採用品目数の割合が「20%以上」の評価に加え、「30%以上」の評価を新たに加えることになった。
 日本病院薬剤師会が2011年に実施した「病院薬剤部門の現状調査」によれば、後発医薬品の採用品目数の割合が「30%以上」である病院は、全国の病院3,823施設のうち398施設(10.4%)であった。

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4 処方せん様式の再々変更
一般名処方の推進及び処方せん様式の変更

 今回の改定では、後発医薬品への変更促進の要件として要望の多かった「一般名処方の普及」が評価対象となる。診療報酬改定結果検証部会(検証部会)の調査結果では、保険薬局が後発医薬品への変更を進めるための要件として「一般名処方が普及すること」との回答が最も多かった。後発医薬品使用促進により、保険薬局では多くの銘柄の後発医薬品の在庫管理が必要となり、その負担が後発医薬品への変更に積極的になれない原因の一つにもなっている。その負担を軽減するため、医師が処方せんを交付する場合は、一般名による処方を行うことを推進することとなった。
 なお、一般名処方を行った場合の処方せん料の算定についての「薬剤料における所定単位当たりの薬価」の計算は、当該規格のうち最も薬価が低い医薬品を用いて計算する。

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変更不可対応は個別の医薬品ごとに

 現行の処方せん様式で採用されている「後発医薬品への変更が不可の場合」の署名欄を廃止し、変更不可については個々の医薬品について変更の可否を明示する様式に変更される。
 検証部会の調査結果では、「後発医薬品への変更不可の場合」欄に署名がある処方せんの割合は31.0%と減少傾向にあるが、その一方で一部の医薬品が変更不可であるにもかかわらず、全てを「変更不可」として署名をしているケースも依然多く見受けられ、中には「変更不可」欄に事前に署名を印刷している医療機関もあるなど、後発医薬品普及の阻害要因の一つとして指摘されていた。後発医薬品の使用を促進する上で保険薬局から医師への要望として、「患者さんが希望する場合、処方せんに変更不可の署名をしないこと」との回答が多かった。
 銘柄指定の後発医薬品の変更不可の取り扱いや、一般名処方を具体的にどのような形で運用するかなど具体的な内容については今後確認していく必要がある。

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5 後発医薬品の薬価

 後発医薬品の薬価については、収載品目数が多く細分化されていることから、銘柄間の格差是正措置を求める声が高まっていた。また、患者負担軽減の観点から後発医薬品の薬価引き下げについても議論が進められてきた。
 2010年度後発医薬品の使用状況調査においては、患者が後発医薬品の処方を希望しなかった理由の一つとして「薬剤料等(患者自己負担額)の差額が小さいから」との回答があり、後発医薬品を処方する上で最も重要なこととして「窓口で支払う薬代が安くなること」が上位に挙げられていた。

〜中医協で了承された対応案〜

  • 新規後発医薬品(先発医薬品に対して初めて薬価収載された後発医薬品)の初回改定時まで、後発医薬品の薬価は先発医薬品の薬価の0.7倍(7掛け)を維持する。
    • 内用薬について、初回改定時の下落率や収載品目数の多さなどを考慮し、後発医薬品の収載希望品目数が10品目を超えた場合は、先発医薬品の薬価の0.6倍(6掛け)とする。
    • 初めて収載する後発医薬品の薬価算定値が「最低薬価」を下回る場合は、その「最低薬価」で収載する。
    • 既に収載されている後発医薬品と合わせて収載品目数が10品目を初めて超えた場合は、最低薬価の0.9倍(9掛け)とする。
  • 市場実勢価格に基づく算定を尊重しつつ、算定値が一定割合(3%)以内の複数の後発医薬品について、算定値の加重平均値でひとつの薬価として収載する。
  • 算定薬価が最高薬価の40%を下回る場合に一般名で収載した過去のルール(GEルール:現在は廃止)や、20%を下回るものについて一般名で収載している現行のルールを考慮し、最高薬価の30%を下回る場合にも薬価を統一する。統一名収載品目の薬価も考慮し、算定薬価が最高薬価の20%以上30%未満の後発医薬品について、算定値の加重平均値でひとつの薬価とし、銘柄別で収載する。
  • 先発医薬品より高い後発医薬品については、現行通り「診療報酬において加算等の対象となる後発医薬品」から除外する。さらに、「先発医薬品と同額の後発医薬品」についても除外対象とする。
  • 後発医薬品のない「生薬」及び「漢方製剤」についても、現行の「経腸成分栄養剤」及び「特殊ミルク製剤」の扱いと同様に、後発医薬品調剤体制加算の調剤率算定のうえで分母から除外する。

(2011年12月)

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